完全情報ゲームと不完全情報ゲームという言葉をご存じでしょうか?
完全情報ゲーム=全ての情報が示されているゲーム
不完全情報ゲーム=そうではないゲーム。
将棋をやっていてわかったことですが、世の中はこの二つの対立軸で成り立っていることがわかりました。
対1、
完全情報ゲーム=将棋、囲碁、オセロ、チェス等
不完全情報ゲーム=麻雀、花札、パチンコ、パチスロ
将棋は、全てのコマがわかっています。自分が取った駒も、相手に見えやすいように開示しなければいけません。いきなり三枚目の角が現れるとかはありません。
対して麻雀は、不完全情報ゲームの極みとも言えるかもしれません。相手が何を持っているかわからず、次に何が手に入るかわかりません。ただ、自分の牌と、捨て牌でヒントが見えてくるという絶妙のバランスがあります。
対2、
完全情報ゲーム=定期預金、国債
不完全情報ゲーム=株、FX
定期預金は静岡銀行で0.450%。国債は…固定5年で0.05%…ちょっと低すぎる気がするので調べ方が間違ってるのかもしれません。とにかく預ければ、これだけ確実に1年で入ってきます。100万円預けて年に4500円。高いと思うか安いと思うかは人次第でしょう。
対して株・FXは、一見PERとかEPSとか開示されているようで、どこの証券会社が何株持っていて、それをいつ大量に売る予定だとか、どこの会社が新商品をいつリリースする予定だとかはわかりません。100万円くらいの元手で年4500円どころか1日45000円くらい儲かったりする可能性がありますが、逆に1日で45000円飛ぶ可能性もあります。
対3、
完全情報ゲーム=サラリーマン
不完全情報ゲーム=自営
サラリーマンは、極端な話、とにかく職場にさえ行けば、月給で決まった額が入ってきます。
自営は、何もしなくてもお金が入ってくるときもあれば、がんばっても0円のこともあります。
ただ、歩合制のサラリーマンとかだとグレーゾーンになってきます。
対4、
完全情報ゲーム=本格ミステリ
不完全情報ゲーム=範馬刃牙
吹雪の閉ざされた山荘で起こった殺人事件。出てきていない人間が犯人ということはないし、一個一個の密室も、考えれば解けるような材料が用意されています。力量のある作家ほど、二回目読み直したときに感心するような伏線が張られています。綾辻行人先生とかです。
対して漫画『範馬刃牙』は、最凶死刑囚がどうなるんだろうと思うとどうもならなかったり、烈海王がどうやってボルトを倒すのかと思うと倒さなかったり、どうやったら刃牙が勇次郎を倒すのだろうと思っていると倒さなかったりします。
対5、
完全情報ゲーム=HUNTER×HUNTER
不完全情報ゲーム=範馬刃牙
天空闘技場編までは割と勢いの不完全情報ゲーム的なところもあったのですが、幻影旅団編からは完全情報ゲームになり、キメラアント編、ハンター協会会長選挙編の結末は、ロジカルだし芸術的であるという神作品になりました。
逆に範馬刃牙は、地下闘技場トーナメント編までは、「こいつ最初から決勝出す気だったのか」とか、鎬兄弟対決こんな決着するかとか、こいつ烈海王の噛ませだったのかとか、感動するような完全情報ゲームだったのに、死刑囚編の途中から、細かく細かく予想を裏切るような、デイトレのような不完全情報ゲームになってしまいました。
対6、
完全情報ゲーム=特攻の拓
不完全情報ゲーム=範馬刃牙
マー坊とリューヤと武丸が学校最強クラスと決めたら、そこに大きな変動はなく、ドラゴンボールのように未知の新キャラにいきなり駆逐されるみたいなことはありません。拓だけがさすが主人公という感じで、弱かったけどちょっとずつ強くなったり、戦う理由のためだったら緋咲クラスになる、とかいいバランスです。後半リューヤが垂れて、高遠と来栖がチート設定なのが若干残念でした。
対7、
完全情報ゲーム=キャバクラで指名する
不完全情報ゲーム=合コン
キャバクラで気に入ったコを指名すれば、ある程度楽しい時間は担保される。けれども、そこから何かがあるというのはないというのもわかっている。
合コンは、すごい可愛いコが来て、かつ付き合えたりするかもしれない。けれども、とんでもない惨状になって、地獄の二時間を過ごすかもしれない。
…まあ、どっちも最近してないのでわかりませんが…。
対8、
完全情報ゲーム=お見合い
不完全情報ゲーム=恋愛
お互い素性・収入を明かし、結婚前提に付き合うお見合いは完全情報ゲーム。情報を元に冷静に選択することができます。
対して恋愛は、なんだかわからない者同士が、何の保証もなく付き合うというよく考えるとリスキーなミッションです。しかも、どちらがいついなくなるかもわからないし、いつ火が点いていつ鎮火するかもわからないという。
対9、
完全情報ゲーム=ミュージシャンのライブ
不完全情報ゲーム=お笑い芸人のネタ
ある程度こんな人たちが来て、こういう曲をやれば盛り上がる。もしくは盛り上がらなくても形になるのが予測できるミュージシャンのライブ。
それに対しお笑いのネタは、客層もわからず、その日の空気もわかりません。予想以上の大爆笑になることもあれば、地獄のようなだだすべりになることも。これがさらに30組中1位だけ上がれるライブとかだと、他の芸人のネタやコンディションも合わさって、複雑な不完全情報ゲームになります。
どっちがいいか悪いかわかりませんが、不完全情報ゲームのほうが中毒性はありそうですね。