元売れない芸人の独り言

孤高のコーイチロー、波乗りコーイチロー、ヒキコモリオなどの芸名で売れない芸人をやっていました。

「ありえへん」に対して俺も思っていたこと〜『一億総ツッコミ時代』を読んで〜

槙田雄司さん(マキタスポーツさん)の『一億総ツッコミ時代』を読みました。メッセージ性を読み取らず、評論家ヅラして言わせていただくと…


一作目から、がっつりマキタさんだったのがよかったです。


普通一冊目って、まあ大体編集者に手直しされて、編集者の本っぽくなります。特に、新書の場合は。それが、この本はまえがきからおわりにまで、がっつりマキタさんでした。文章力が信頼されたというのもあると思いますし、うまく編集者の方をコントロールされたのでしょうか。すごいと思いました。


内容に関して色々言いたいことはありますが、「もうツっこんでんじゃねえか」「マスコミ目線か」という本編内の逆ツッコミを受けそうなので、自分で語れる部分を書きたいと思います。それはこの部分。



松本さんと同じような視点の人で、千原ジュニアさんがいます。彼がよく使うフレーズは「ありえへん」です。この「ありえへん」というのはすごい言葉だと思います。いろいろなこと、ありとあらゆることが「ありうる」はずの世界に対して、自分の一存で「ありえへん」と断罪してしまう感じから持っていく笑いのあり方とは、いったい何だろうかと考えてしまいます。
(略)
「ありえへん」といったツッコミ目線で見ていると、細かいことが気になって仕方がなくなるような、息苦しさを感じながら生活を送ることになってしまうのです。


松本人志さんのガキ使フリートークは、前半に松本さんが世の中にキレること、後半がハガキの質問のフリに乗ってボケるという二段構成でした。実は僕はコントとかより、このフリートーク前半部分が好きな時代がありました。

その流れは、『遺書』『好きか嫌いか』という本にもなり、『ゆるせない話』という番組にもなりました。


松本人志さんの怒りはどのようなものだったか…


  • 女と一緒にメシ食うより男とメシ食ったほうが楽しい
  • 寿司を一口で食わん女とかありえへん
  • 赤ちゃんが乗ってますって貼ってる車、どうすればええねん
  • 行列ができるラーメン屋で、四人一緒に座ろうとするサラリーマンありえへん
  • 狭い道でチンタラ歩いてて、クラクション鳴らすと怒ったような目で見てくるおじんありえへん
  • 駐車禁止を取り締まってる警官、ほんなら全ての違反車全部取り締まれよ
  • 道知らないタクシー運転手ありえへん

等々…

松本信者の私としては、そっくりそのまま受け取っていたのですが…今考えると、あまり若いうちにこの思想を浴び過ぎないほうがよかったかなと思っています。いや、松本師を見なければよかったとは思っていません。ハハハとその場で爆笑して、日常は日常で、自分で生きていけばよかったかなと思います。というのは、やっぱりちょっと、局地局地で松本師目線になってしまうことがある(あった)のです。ですが…大人になった今思うと…


例えば「道知らないタクシー運転手ありえへん」確かにありえないです。プロ意識が足りないでしょう。でも、それを言うなら自分の中にも、隙のないプロな部分がないとダメですよね。人のフリ見てというか…だからと言って、道を知らないタクシー運転手が許されるわけではないですけどね。


「寿司を一口で食わん女とかありえへん」とか、「女と一緒にメシ食うより男とメシ食ったほうが楽しい」に関しては、超絶にモテる松本師だから言えることです。はっきり言って、よっぽどのことがない限り、自分とメシ食ってくれる女のコなんて、大事にしたほうがいいです。と、若い世代には伝えたいですね。

ありえへん!」は天上人たちの怒りで、我々地に足をつける者としては、まずは自分を顧みることや、優しさ・寛容さが必要なんじゃないか…とこの本から隠れメッセージとして受け取りました。



…ちなみに、松本師もジュニアさんも元々キレ芸はしていましたが、言葉として固まったのは、木村祐一さんの「考えられへん」です。