元売れない芸人の独り言

元売れない芸人がキン肉マンについて語っています。キン肉マンアニメ化祈願。

ダイノジ大谷さんが語る松本人志さん著『遺書』の嘘


新人のころ、花月で、おじいおばあの団体客の前で漫才をやらされた。もちろん、最初の二、三分は一生懸命やる。しかし、客のレベルがあまりにも低いことが分かると、いちばん前の客にも聞こえない小さい声でしゃべったり、十五分の待ち時間を三分で帰ったりしたものだ。
『遺書』松本人志朝日新聞社 1994年)


昨日のWOWOWぷらすと。R−1論もすごかったが、それに付随して、大谷さんが何気なくすごいことを語られていた。


大谷さん「この間宮沢章夫さんと話してて。大阪時代のマルクスブラザーズの上映会とか、吉本の芸人で来てたの、松本さんだけだって。宮沢さんがやったやつ。東京だったらケラさんが観に来てたやつとか。でも松本さん言わなかった。東京だと、シティボーイズさんのライブとか行ってたんだけど、言わなかった。吉本の土着的なベタをわかった上で、東京の、あの当時のサブカルチャー的なものを研究して研究してしっかりパッケージをしたと思うんだよね


私からすると『遺書』が全ての始まりであり、聖書であり、松本師伝説の「よげんの書」なのだが、実はそこには、いくつか「嘘」があったということ。…大谷さんは「嘘」という言葉は使ってないですけどね。


…実はこの話は、私も、大学時代にお笑い好きの先輩ともちょっとしていて…つまり松本人志さんは天才なのかという、1970年代〜1980年代生まれのお笑い好きなら誰でもしたような…おそらくラリー遠田氏も夜な夜な語ったであろう、誰もがした会話なのだが、そのときは


天才だけど、努力もされていたんじゃないか


そして


『遺書』には、松本さんをカリスマとして、天下を取るためのトリックも入ってたんではないか


という結論になった。例えば、そのとき出たことで言うと、ラジカル・ガジベリビンバ・システムのことを『遺書』では言ってないと。小さい頃に父親と見た落語以外、誰の影響も受けてないと言っているが、少なくともラジカルの影響は受けているはずだ、という話になった。


で、やはり、大谷さんいわく、松本師は研究されていたのだ。

そして…冒頭の伝説の話へ。



大谷さん「吉本の古株の社員から聞いた話で、本当かどうかわからない。そしてこんなことを言うことが粋なことかわからないけど…NGK、じじいばばあの前でダウンタウンさん、めちゃめちゃウケてたって
マキタさん「俺それ聞いたことある。まずスベったことないらしいんだよ。あの人たちって」
大谷さん「ちゃんとNGK用のネタがあって(ウケてるんだけど)二丁目劇場の女のコたちの前で『花月でスベってきた』っていうと、女のコ達が『私たちのダウンタウン』てなる」


!!
『遺書』にはやる気のないネタをしてスベった後、劇場の支配人に「芸人は客を選ぶな」と怒られたエピソードがあったが、選んでないわけではなかったのだ。選んだ上で、違うネタをやって、ウケていたのだ。

さらに、二丁目劇場の女のコ達へ行っていた人心掌握術を、『遺書』という本を使って、全国の若者にやってのけたのだ。なんと恐ろしい人だろうか。


さらに…


大谷さん「ある芸人さんに、『結局今までNGKで一番ウケたの誰なんすかね』って聞いたら、『それはダウンタウンやな』って言われて『え? めっちゃスベってたって本に書いてあったんですけど』って言ったら、『ああ、あれ嘘やな』って言ってた」
浅野かやさん「かっこいい〜」


確かに、かっこいい!


いつもこの番組の女性MCって、●●ばっかでいらねーなと思ってたけど(言っちゃった)この「かっこいい〜」はすごい共感できた。



しかし我々松本信者はこれを聞いて、松本伝説は嘘だったと落胆するだろうか。



私は、さらに松本師へのリスペクトが増した



花月でも、じじいばばあ相手の戦いでも、天下取ってたんじゃないか。



そしてそれをあえて言わない神がかった戦略性。



やっぱり、天才だ



大体松本師ははっきりと明言されているのだ。


巨乳が好きと言って笑いになるのであれば巨乳が好きであると言うし、巨乳が嫌いと言って笑いになるのであれば巨乳が嫌いだと言う」と。


…遺書の裏話は、まだまだこの先出てきそうな気がする。


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