元売れない芸人の独り言

孤高のコーイチロー、波乗りコーイチロー、ヒキコモリオなどの芸名で売れない芸人をやっていました。

アンジャッシュの魔法と松本人志さんのコント

十年ほど前、立川談志師匠がオンバトスペシャルに出たとき…ネタやったわけじゃないですよ、若手三組とトークでカラんだときに、アンジャッシュさんに

魔法はいつか解ける

という言葉を送られていました。真意をはっきり仰ったわけではないのですが…奇跡のような勘違いコントは、そういつまでも作れるわけではないから、違う武器も用意しておけ、というような意味で大筋間違っていないと思います。

しかし実はこの魔法は強力で、かなり普遍的に使えるものでした。

ボケツッコミを明確にするのではなく、ストーリー上で伏線を張り、そこからのズレで笑いを作っていく。そして立場の逆転でもう一回笑いを生むという構造

アンジャッシュさんはもちろん、現在のオンバトコント組や人力舎の若手のコントにも引き継がれ、魔法は解けずに残っています。


逆に…


今考えると


松本人志さんのコントって、そういう作りのものがないな


と思いました。


おかんとマー君、とかげのおっさん、ゴレンジャイ、兄貴、たてだらけの男、野性の王国等々…


これは、アドリブを活かしてネタを作るというのが松本さんの真骨頂だからでしょう。


それゆえに…


時代によって、賛否両論が生まれてしまう



のかもしれません。




よく考えると『大日本人』も『しんぼる』も『さや侍』もそういう作りではありません。コントで言えばアンジャッシュさん、映画でいう『ユージュアル・サスペクツ』みたいな伏線→裏切りみたいな作りではないのです。裏切りはあるのですが、引っくり返す裏切りではなく、違う方向に転がす裏切りなので、人によって好き嫌いが生じてしまうのではないでしょうか。


MHKにもアンジャッシュさん的なコントはありませんでした。


ただ全くないかというとそうではなく、ランジェリーヤクザの男、巨人殺人はそういう作りでした。私は松本映画三作もMHKも好きなのですが、アマゾンカスタマーレビューの「元ダウンタウンファンです」みたいな声を黙らせるためにも、四作目は、あえて、アンジャッシュさんのコント的な、『ユージュアルサスペクツ』のような、シャマラン的な作品を撮っていただきたいです。