大みそかのIGFに少し辟易とした私は、家に帰り、ソファに倒れ込みながら、9時間の観戦の疲れを癒すようにバーボンを喉に流し込んだ。そのまま「絶対に笑ってはいけないキャビンアテンダント」の観戦へと移行する。
ガキ使大好きだし、この企画は永遠にやってほしいとは思うが。正直。正直だ。全然批判するわけではないのだが、最初のバスの移動のシーンとかは、ちょっともういいかという感じだった。もうどんな豪華芸能人が出てきても驚かないし、去年流行った芸人さんのネタは、リスペクトはするが、ガキではあまり見たくない。ガキのスタッフVSガキのメンバー、もしくはガキのメンバーVSガキのメンバーが見たい。つまり、引き出しネタが楽しい。今年も面白かった。特に街の似顔絵師と画太郎先生が描いた浜田さんがめっちゃ面白かった。
そんな中で、「豪華ゲスト物」であり「毎年恒例」なのに、相変わらずめちゃめちゃ面白かったものがある。蝶野と山崎邦正さんのくだりだ。
テロリストに情報を流した者にビンタすると言って、一人ずつ探るが、当然山崎さんの前で止まる。そして前に引きずり出され、ビンタされる。パターンは変わらないのだが、面白い。長州力のプロレスのようだ。長州は、技を増やさない。リキラリアット、さそり固め。それが武藤にDisられたりするが、そのシンプルさが面白い。
パワーホール→長州の緊張感→いつか来るであろうリキラリアット→やっぱり来るラリアット
という面白さだ。
これが蝶野山崎さんの場合、
クラッシュ→蝶野の緊張感→誰に振られるかわからない。現に田中さんはいきなりバスでビンタされたことがある→が、結局山崎さんという「緩和」→拒むが、絶対にされるであろうビンタ→やっぱり来るビンタ
そして、プラス、終わった後の山崎さんの顔。
芸人でもなく、プロレスラーでもなく、人間。たけし映画の「突発的暴力」を受けた後の人間の顔をしている。
IGFの「一寸先はハプニング」も面白いが、来るとわかっていてやっぱり来る、二人の技量が問われ、信頼関係、「でもやっぱりやだ」という本能が見えるこのやりとりこそプロレスなのではないだろうか。