元売れない芸人の独り言

元売れない芸人がキン肉マンについて語っています。キン肉マンアニメ化祈願。

気になる名言 アン・ジョー司令長官(2009年8月9日に書かれた記事です)

これで、グッドバイデース
アン・ジョー司令長官

2004年から始まったプロレスイベント『ハッスル』が、どうやら、おそらく、一旦幕を閉じそうです。

ボノちゃん(曙)が魔界に帰る、などは、まだアングル的ではありますし、ハッスルの世界の中でのことですが、

アン・ジョー司令長官は、トレードマークのサングラスをリングに残し退場。
島田二等兵は、「レフリーの仕事が忙しい」と発言。
まるで、アニメオタク達に「現実に帰れ」というメッセージを突きつけた、テレビ版エヴァンゲリオンの最終回のようです。
虚実入り混じるハッスルワールドですが、最初からずっといるメンバーの二人のこの発言は、なかなか深いものがあります。

そして、

高田総統は、

死亡。

ハッスルの中ではっきりと「死亡」と言われたのって、あまりいないんじゃないでしょうか。
もちろん「生き返った」というストーリーもいつでもできるのですが、高田延彦自身、ブログで

「 日曜日の両国国技館で役目を終えた。応援ありがとうございました。
 長いようであっという間の5年半だった。
 これからのハッスルも変わりなく応援してください。
 さようなら総統。
 さようならハッスル。」

と言っていて、どうやらハッスルとの関わりは、とりあえず当面ないようです。

この先も興行は組まれていますが、普通に考えるならば、少なくとも今までのハッスルの世界は、今年で終わるという気がします。

…後半観ていなかったし、行っていなかったので、偉そうなことは言えないのですが、いざこうなってみると、ちょっと寂しい気がします。
と、同時に、後半私が観なくなった…というのも、何かあるのかなと。同じようになってしまった人が、他にもいたのかもなと思います。まあ、私の場合、個人的な理由もちょっとあるのですが…。

別に後半グダグダになったとかいうことはなく、完成度の高いエンターテイメントを続けていたと思いますし、そもそも「観客が減ったり、視聴率が低迷したから打ち切りになる」ということは誰も言っていないので、違う理由があるのかもしれませんが、もしそうだとするならば理由は…

1、何をやっても刺激がなくなってしまった

芸人レイザーラモンが登ったり、インリン様がプロレスしだしたときは刺激があったが、以降、それを上回るものがなくなった(?→観ていないので偉そうに言えないのですが)。
誰が出ても「まあ、出るだろうな」という気がしてしまった。

2、マンネリ化

「ハッスル軍VSモンスター軍」で引っ張り続けて5年。さすがに同じことの繰り返しになった。
ストーリー的には、エスペランサーが坂田with妖精さんに倒された2007年でオチていた気も(?→観ていないので偉そうに言えないのですが))

3、プロレス自体の求心力の低下

プロレスの衰退が止まっていないのでは? ハッスルが盛り返したと思うし、新日本が今復活しているらしいですが、それでもNWOグッズがすさまじく売れたあの頃ほどではない(?→わからないですけど)


…逆に言うと、ここまでよく頑張った、という気もしますし、間違いなくエンターテイメントの歴史に残ると思いますが、終わるまでに解決してほしいことがいくつかあります。

1、プロレスは破壊したのか?

既存のプロレスを破壊して、新しい「ファイティング・オペラ」を創るというコンセプトで始まったハッスル。果たして、プロレスを破壊することはできたのでしょうか? そして、破壊した後に、何が残ったのでしょうか。橋本に腰を振らせて、暴走王をピエロにして、天龍にコントをさせて、芸人でもプロレスができることを示し(いや、レイザーラモンさんはプロレスラーの才がありますが)高田にレーザービターンをさせて、そこに、何が残ったのでしょうか。
何も残ってないと言いたいのではなく、そこに何があったのか、高田総統から聞きたかったなと。行ってないから偉そうに言えないですが。

2、小川は何も言わないのか

「いかにも後半観ていない奴の意見だな」と思われるかもしれませんが、もともと橋本小川高田(島田、アンジョー)で始めたもののはず。いくらプロレスができるようにならなかったからと言って、セレブで終わりはひどすぎるのでは…。残りの興行でぜひ出てきて、それこそシュート仕掛けてほしい。プロレスで色々舐められても、シュートだったら今のメンバー誰でも秒殺できるっていうのを見せてほしい。

3、今後プロレスはどうすればいいのか?

もちろん「新しいハッスルを続ける」っていうのも答えだと思いますが、そうでない場合、なんらかアンサーはほしいなと。なんとなくやり逃げ感が強いんですよね。既存のものをフリにして、笑い取って、そのままいなくなっちゃうっていうのは、いかがかなと。だったらなんだかんだへばりついて、それなりに自分の答えを提示している長州や大仁田や武藤のほうが正しい気がします。それとか、「マッスル」も色々問題提起をして、それなりにアンサーを示している気がします。

まあ、こんなことを考えるのも、ハッスルが完成度の高い「世界」「物語」を作っていたからこそなんですけどね。
「こっちこいよー」って言って、人気がなくなったらプッツリやめるって、それはよくないなと。
次を観る気がなくなっちゃうんですよね。

浦沢直樹先生の新作、いくら壮大な謎を出しても、「どうせ最後フワっとさせるんだろうな」と思ってのめりこめないですからね。

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