22時、孤高のコーイチローがスーツ姿に神妙な面持ちで、会場に現れた。
コ「本日はお集りいただき、また、この映像をご視聴いただき、誠に恐縮です。私、孤高のコーイチローは、年内のライブをもって、芸能活動から引退させていただきます。
今回引退のきっかけとなったのは、ある人物との親密な交際をうかがわせるツーショット写真が流出してしまったからです。個人名はプライベートなので言えないのですが、仮にAさんとします。Aさんとのツーショット写真が出回ったことが今回のきっかけとなりました。
まあ引退しなくてもいいんじゃないかという声もあったんですけれども、それでは若い者に示しがつかないということで、引退という形を取らせていただきました。
そのツーショット写真がこちらです」
ここで孤高のコーイチローが問題のツーショット写真を取り出した。そこにはサーフィンのウェットスーツを着た孤高のコーイチローと、茶髪でパーマ頭、ラッパーのようなジャージを着た、40歳に近いと思われる男の姿が写っていた。
コ「Aさん…Aさんていうか銀座ポップさんなんですけど。こういった写真が流出してしまったことを、非常にお詫び申し上げます。(深々と頭を下げる)」
コ「Aさんと会ったのは10年くらい前なんですけど。解決できない問題を抱えていて、相談してしまいました。まあ結局、解決できなかったんですけど。そこから、メールのやり取りもあったのは事実です。『了解です』みたいな感じだったんですけど。これを非常に厳粛に…ちょっとすいません」
ここで孤高のコーイチローが目頭を押さえた。万感の思いが込み上げてきたのであろうか…。
コ「僕も…僕も一回は天下取りましたから!」
この会見で初めて声を荒げた。万感の思いが込み上げてきたのであろう。
コ「…引退という形で…(涙をこらえながら)何かご質問があれば、どうぞ」
記者「冠番組はどうされるのですか?」
コ「そうですね、プロレスLOVE、格闘技LOVE、ジネマハスラー等のキラーコンテンツは誰かに引き継いでもらおうかと思ってます…けど、まだ現段階では決定はしておりません」
記者「喜び組はどうされますか?」
コ「喜び組とか、いないですよ。そんなんいたんだったら芸人辞めてないですからね。喜び組っていうか、彼女がいないですからね。ファンも限りなくゼロに近いですけど…しょーこちゃん…強いて言えばしょーこちゃんなんですけど…。しょーこちゃん、加藤ミリガンのファンですからね」
ここで孤高のコーイチローは再び目頭を押さえた。忸怩たる思いが込み上げてきたのだろうか。何かをやり遂げた男にしかわからない感情なのかもしれない。
コ「しょーこちゃんは、加藤ミリガンと銀河と牛のジョニーさんとモッキンバードとミルキーウェイのファンですからね。加藤ミリガンのライブ、月26回行ってますからね」
記者「今後の予定は?」
コ「そうですね、今後はまあちょっと、沖縄に…沖縄に行った後に、お笑いライターになります」
記者「おわライター?」
コ「いや、おわライターじゃないです。お笑い・ライターになります」
記者「引退することを誰かに言いましたか?」
コ「そうですね、あの…セクシーJだけには言いました。『それは…そうですかい!』って言ってましたね」
コ「まあこういった形での引退ということで、関係者の皆様、並びにいないんですけどファンの方に非常にご迷惑をおかけしました。今後ともよろしくお願いいたします」
そういって彼は深々と頭を下げた。