人生には、世界には、いくつかの「真理」があります。
これは学校では教えてくれないことです。
その一つに最近気づいてしまいました。
それは
何事も三段階めが急激に難しくなる法則
です。
どういうことか例を挙げます。
例えばホームページを作りたいと思ったとします。
一段階めは、HTMLを書いてサーバーにアップロードすることです。
これでホームページはできます。
これだけでも、ややこしいやりたくないという方はいっぱいいますが、ググりながらやれば、ここまではやる気次第でできます。
二段階めは、CSSや画像ソフトなどを使って「綺麗にホームページを作る」ことです。
ここでレイアウトぐちゃぐちゃになってつまづく人もいますし、デザイン力の個人差たるやすさまじいものですが、とはいえ第一段階クリアした人なら、ここもそれなりのものはできる可能性が高いです。
そして三段階めが、「アクセスなり売上なりのあるサイトを作る」ということです。
ここで、急激に難しくなります。
ググっても、明確な答えが書いてないです。そりゃそうです、みんな売上がほしいので、「HTMLの書き方」ほど簡単に無料で教えてくれません。
よしんば「売上の上げ方」という教科書を見つけたとて、それを心折れずに実行するのが至難の技です。一段階、二段階のように、明確なスケジューリングなどできません。
三段階めが急激に難しくなります。
サーフィンならどうか。
まず海に行くのが最初の壁、第一段階ですね。海が近い県の方ならともかく、車に乗って朝早く海に行くというのが最初の参入障壁です。
それをクリアし、サーフショップに行き板を借りるなり買うなりして海に入って…「パドリング」という壁があります。不安定な板の上で、沖に向かって進んでいけるほどのパドリングができるのか。
ただ、ここまではアグレッシブで、ちょっと運動神経あって、海が怖くない人ならできます。問題は次です。
第三段階。板に立てるかどうか。
これが一気に難しくなります。パドリングができればその次は、どう考えても立つことなのですが、この間に何やら色々なことがあります。
海に行く
↓
パドリングできる
↓
見えない何か
↓
見えない何か
↓
見えない何か
↓
見えない何か
↓
板に立てる
って感じです。
そしてその見えない何かは、スクールで教えてくれません。自分でボッチャンボッチャン海に吹っ飛びながら覚えるしかないのです。
三段階目が急激に難しいのです。
格闘技ならどうか。
これはまず第一段階の「道場の門を叩く」というのが結構ハードルが高いです。
「ちょっとゴルフやりたい」と思えば、打ちっぱなしに行けばいいし、その足で軽くスクールに体験入学してもいいです。
「サーフィンやってみたい」と思えば、海に行くのはゴルフの打ちっぱなしよりはハードル高いですが、日曜日予定決めて友達と行けばまあできるでしょう。
ですが、
「ちょっと格闘技やりたい」と思うのと、道場に行くのには隔たりがあります。一緒に行こうよと言って、即答してくれる友達も少ないでしょう。
ただ、入ってしまえば、ここからは「技を覚えていく」という楽しい第二段階になります。テレビや後楽園、ディファ有明、さいたまスーパーアリーナで見ていた憧れの技を、実際に使えるようになるのです。「三角締めの入り方は…」などと、蘊蓄を語りたくなります。
しかし、そんな楽しい第二段階の後に、厳しい第三段階が現れます。「教えてもらった技を使い、スパーリング(乱取り)で一本取れるようになる」という壁です。技を覚えることと、実際にそれを動いている、抵抗してくる、あちらからも攻撃してくる、人間にかけるということにはすさまじい隔たりがあります。まして相手はもう慣れている先輩なことが多いでしょう。ここにも三段階めの壁があります。
道場入る
↓
ある程度技覚える
↓
見えない何か
↓
見えない何か
↓
見えない何か
↓
見えない何か
↓
スパーリング(乱取り)一本取れる
という感じです。
三段階目の壁は、恋愛にも現れます。
まず、異性に話すことが難しい第一段階ですよね。そんなもん自然にできるわという方はスルーしてくださいね。
異性と話すことができるようになり、コミュニケーションがわかってくると、二段階目が「つきあう」ということですね。初めて付き合えたときは、自分が世界に認められたような喜びを味わえますよね。
恋愛の第三段階は結婚…とも取れるし、それはそれで壁だと思うのですが、「急激に難しくなる」ほどの壁ではないですよね。第三段階は「好きな人とつきあう」ことだと思います。
「第二段階と第三段階の違いがわからん」という方は、幸せな人生を送られている方だと思うので、そのまま進んでほしいです。
「付き合う」のと「好きな人と付き合う」のには、すさまじい隔たりがあるというのは、わかる人にはわかると思います。日本の少子化もここに原因がありますね。
そしてこの壁はお笑いにもあります。
まず最初の段階として、「ネタを作る」というものがあります。これがいわば「素人」と「芸人」を分ける参入障壁になるわけです。いまやネットの時代で、大喜利的な面白さや動画的な面白さや文章的な面白さがある人はたくさんいますが、「素人がネタを作る」という文化はまだありません。M1、R1でちょこちょこあるくらいです。
二段階目が「ウケる」ということです。…まあ実はここには個人差があり、NSCでネタを作った瞬間ウケる人もいれば、いくらネタを作っても、結局一笑いも取れずにやめてしまう人もいます。ただ、いいお客さん、優しいお客さんの場合、ネタの形になっていればとりあえず笑ってくれるということもあります。
ネタができて、ウケるようになって、第三段階が「売れる」ということです。急激に難しいですね。「ネタってこうやって作るんだー」って言ってたのがいかに平和な時代だったかがわかりますよね。
ネタ作る
↓
見えない何か
↓
見えない何か
↓
ウケる
↓
見えない何か
↓
見えない何か
↓
見えない何か
↓
見えない何か
↓
見えない何か
↓
見えない何か
↓
見えない何か
↓
見えない何か
↓
見えない何か
↓
見えない何か
↓
売れる
という感じですね。
見えない何かはNSCでは教えてくれません。ボッチャンボッチャン海に落ちながら見つけていくしかないのです。