コンプガチャ問題が話題になっているが、そもそも何なのでしょうか。
YOMIURI ONLINE
携帯電話で遊べるソーシャルゲームの高額課金問題をめぐり、松原消費者相は８日の閣議後の記者会見で、特定のアイテムをそろえると希少なアイテムが当たる「コンプリートガチャ」について、「（景品表示法違反の）可能性がある」と述べ、近くゲーム運営会社や消費者に注意喚起する考えを明らかにした。
高額課金が相次いでいるソーシャルゲームについて、松原消費者相は「極めて射幸心をあおるということは間違いない」と指摘。その上で、「一定の抑制的な方向性を打ち出すことは必要だ」と述べた。
これだけだと意味がわかりません。射幸心って何かね？ っていう話です。
ツイッタ―等で見ていて、これでかなりわかりました。
「ところが半分そろったところから、急激に確率が変わっていく。特に最後の1枚は2％しかないので、50回引かないと当たらない。この最後の1枚がなかなか出ないというところから、ゲーム運営会社が確率を変動させているのではないかという疑いが持たれている。しかしこれは確率の錯誤である。」
…錯誤だったら、景表法違反じゃないんじゃないだろうか、もちろん、12％なのに、0％だったら、景表法違反ですけどね。
景表法的になぜダメなのか、射幸心がなんなのかはわからないんですが、被害者（？）が未成年であり、行為無能力者だから、契約は遡って無効、というロジックはまだわかります。けれどもこれも、親のクレジットカード使ってやられたら、サイト側で見分ける術はないでしょう。
そして、この理論で行くと…今回話題にはなってないですけど、某大手アバターサイトだって、似たようなことをやっています。ガチャでこそないですが、アバターの服や家を大きくしていくのにリアルの金がかかり、結局そこで目立つ、楽しむには金を使わざるを得ないと。そのターゲットには未成年が多いと。
では、私は、その会社も取り締まるべきだと言いたいのでしょうか。
違います。
さらに、これをもっと広げて考えてみます。
例えば、オシャレになりたいと思ったとしましょう。そこで、BOUNTY HUNTERのＴシャツを買ったとします。Ｔシャツだけ、BOUNTY HUNTERだと、オシャレでしょうか。逆に、普通の人よりダサい人になってしまいます。ＴシャツをBOUNTY HUNTERにしたならば、パンツも靴もカバンも、BOUNTY HUNTERもしくはそれに合う裏原系のモノにしないといけない…コンプしないといけないのです。
可愛くなりたいとしましょう。ファンデーションだけいいものを使って可愛くなれるか。否です。下地を作るための化粧液もいいものを使わなくてはいけないし、そもそも肌を健やかな状態に保つために美容液、乳液にも気を使わなくてはいけません。アルテミシアくらい使わないといけないかもしれません。メイク落としもバカにはできません。ルージュで台無しになったら意味ないので、ルージュも選ぶことが必要。コンプしないといけないのです。
じゃあもうそんな恋愛至上主義のリングから降りてサブカルで静かに暮らそうと思ったとします。エヴァを見たいと思って…一話だけで終われるでしょうか。終われません。26話見なければいけないのです。当然それだけではなく、Air、まごころを君に、序、破、も必要になります。それでようやくエヴァを語れるか。否です。ガンダムを見なければダメでしょう。ガンダムありきのアンチテーゼですから。ガンダムも、初代、Ｚ、ＺＺは当然、逆襲のシャア、ＵＣも押さえたいところです。さらに最新の旬のものとして、『進撃の巨人』も当然読む必要があります。サブカルになるにもコンプしなければいけないのです。
お笑い評論家になりたいと思ったとしましょう。テレビは当然全て見なければダメ。そのためには全録できるＨＤＤが必要。それだけではダメで、ＤＶＤも見なければいけないし、ライブに行かずにお笑いを語るのもできないでしょう。芸人さんのツイッターも読まなければいけないし、死んだ目でダブルピース、テレビのスキマ等お笑いブログも読まなければいけないでしょう。コンプしなければいけないのです。
個人事業主でコツコツ生きていこうと思ったとします。うまくいっています。ところが周りからは「不安定なんじゃないか」「信用されないんじゃないか」という声が飛んできます。…会社を作らざるを得ません。コンプしなければいけないのです。
会社を作り、やってることをオープンにしたら納得してもらえるか。「社員は何人なんだ」「結婚はしないのか…」「今後のビジョンは？」…コンプしなければいけないのです。
誰がＧＲＥＥとモバゲーだけを責められるでしょうか。
