UFC日本大会に行ってきました。
午前9時00分。まずさいたま新都心駅がいつも行く興行の時より混んでたんですよ。いつもと違う感じ。何かが始まる予感。それが出るのがまず素晴らしいですよね。
午前9時30分入場。オクタゴンといつもと違う照明に感動。すると「ただいまより試合を始めます」とも何とも言わず、外で行列を作ってる2万人シカトでフツーにオンタイムで第0試合開始。「日本の皆様ありがとうございます」の一言もない。群れない、媚びない、UFC。素晴らしい。
アメリカ人独特の傲慢さ(アメリカ人の方すいません)が、期せずしてサプライズ感を出していた可能性はある。やっぱでもエンターテイメントにある種の上から目線はいるんじゃないかと思った。
午前10時。先輩から「当日券買っておいてくれ」とメールが来ていたのに気付く。その5分後に「当日券売り切れてるみたい」というメールが来ていた。そこで満席なことを知った。さいアリ(たまアリ? どっち?)は、スタジアムバージョン、メインアリーナバージョンに別れ、さらにムービングブロックで客席が動かせるので、その日の人数はわからなかったが、満席凄いと思った。まあ2万2000人とかか。
と、ここまでUFCの素晴らしさに浸ってたのですが、第一試合の水垣の判定は疑問だった。コンディットのこともあり、判定予想は難しいなーと思った。野鳥の会の計測器みたいなの持っていって手数を測るしかないのか。
午前11時(時間はテキトーになっていきます)。さいたまスーパーアリーナにパワーホールが! 長州の元弟子福田力が入場。私、私の友達、右サイドにいたプロレスファンが鬼のように盛り上がった。が、会場全体って感じではなかった。右サイドの「サソリ固め!」というヤジがウケてた。
インターバルでラウンドガールがケージを歩き回る度、ピーピー歓声が飛ぶのが面白かった。
KID VS ヴァウアン・リー。すごい歓声で、さすがスター選手だと思ったのだが…結果は敗北。これが金原とか、強いことがわかってる選手だったら、そんなのどっちかが負けるわけだから仕方ないけど、相手はUFC0勝のヴァウアン・リー。ちょっとやっぱり厳しいのかなと思ってしまった。3連敗で、UFCはリリースするのだろうか。日本大会を今後もやるなら客が呼べるスター選手だと思うが、そうでないならちょっと厳しいのか。
五味隆典VS光岡映二。まさかの「scary」じゃない曲で入場。…なんていう曲なんだろうか。スーパースターに大歓声。そしてそれに応えるスカ勝ち。「判定ダメだよ、KOじゃなきゃ」という伝説的な名言にも応えた。ケージ登りが見れたのも嬉しかった。
ここで10分間の休憩ということ。トイレに行こうと思ったのだが…まさかのトイレ渋滞にハマった。もちろん休憩時間は混むのは承知だったのだが、ちょっとここまでは経験がない。休憩終わり、さらに一試合終わってしまった…。敗因としては、426番ゲート前トイレの列に並んでしまったことで、413ゲート前にしなかったことか。
ということでアンソニー・ペティスVSジョー・ローゾンは、見れず。
日沖発VSバート・パラゼウスキー。日沖が打投極全ての局面で圧倒していた。今後も楽しみな勝ち方だった。しかも日沖、リオン戦から6連勝らしい。すごい。
岡見勇信VSティム・ボーシュ。2Rまで岡見有利に見えたが、3Rでボーシュが暴走。一気に試合を決めた。スタミナを貯めていたのだろうか。こういうのがあるから、一概に塩試合とか消極的とか言えないんだよなー。もちろん1Rから全開の人はかっこいいですが。
ジェイク・シールズVS秋山成勲。煽り(紹介)VTRの中で秋山が「母国の声援の中で」という言葉を使われていたのでやな予感がしていたのだが…。「time to say good bye」が流れ出した途端、やはり先ほどの紹介がフラグになってしまった。全盛期(?)と変わらぬ大ブーイング。もちろんここにいるような人たちは、秋山が最近はUFCで自分を追い込んでがんばっているのは知っているはずだが…まあブーイングも人気のバロメーターですからね。無反応よりはいいんじゃないでしょうか。しかし桜庭戦を知らない外国人は意外に思うだろうな。なんでこの人母国でこんなブーイング浴びてるのだろうという。試合はシールズ勝利だが、全然秋山肉体できてるし、一回極めかかったし、奥襟(?)持たない足だけの大外狩りとかかっこよかったし、できればまだまだ続けてほしい。ちなみに秋山がマウスピース落としてうまく拾えなかったとき「ヌルヌルしてるよ」とヤジり、半径10mくらいの笑いを取った。
マーク・ハントVSシーク・コンゴ。全てがマーク・ハントだった。豪快な勝利。あぶなっかしいケージ登り。面白い。
ランペイジ・ジャクソンVSライアン・ベイダー。ランペイジがPRIDEのテーマ曲で入場し、めちゃめちゃ沸かせる。…ゲリラレディオじゃなくて、「デンデンデデン」ていう、全選手入場とかに使われてたやつです。結果はベンダーの勝ち。ランペイジが全盛期と比べてどうなのかはわかりませんが、TUFハンパないですね。
そしてまさかの色々あって、メイン見れずちょっと外出て電話するという悲劇。一番の試合を見れなかったとは…。これから動画で観よう。
しかし「世界最高峰」というブランドはやはりでかい。メインの世界最高峰の戦いも素晴らしかった(らしい)し、世界最高峰の舞台で勝つから、五味もハントもめちゃめちゃ盛り上がる。
そしてその前フリあっての「お祭り感」がでかかっただろう。見せてもらってるという喜び、WOWOWとかネットで見てて、やってみたかったオクタゴンガールへの歓声、試合中の応援、ブーイング等々をやってみること…選手と観客が渾然一体となりすさまじい熱気を放っていた。
今後どうするのが日本格闘界にとっていいかはわからないが、もし第二回やるなら、昨日会場に行った人は、みな行くだろう。ということは、チケット取るのが難しくなるだろう。ということは、無い物は欲しくなる「KAGEROU」状態で、ますます人気になるだろう。
DREAMのことを考えると何とも言えないが、これは…あの方たちにお任せしてしまえば…もしかしたら日本格闘界は再び…と思ってしまうくらいの客入りと熱気。と、結果的な面白さ。TVでも何も変えず今日のままカラっと媚びずにやれば視聴率取れるんじゃないかと思った。
DREAM自体をDisる気は1mmもないが、今日のいつもと全く変わらないことやって盛り上げてる人たち見ると、佐々木希とかボビー・オロゴンとか入れたりするのアホくさかったなーと思った。質の高いことを、信じてやって、「勝手に見ろ」ってほうが、商売としてもいいという矛盾。
「信じてやって」というような信念すら見えないくらいのドライな感じ。カラっとした感じ。ひたすらどんどん結果を見せてく感じ。最初は下手したら通訳すらいないんじゃないかと思った。それでも成立する気がした。「見せてもらって楽しい」という感じ。こっちに全く降りてこないのがいい。
最高のものを見させられてしまった。…だけどもちろん、最高を求めて終わりのない旅をしている方々も大好きなんですが…。
「最高を求めて 終わりのない旅をするのは
きっと 僕らが 生きている証拠だから
oh!YEH! 現実に打ちのめされ倒れそうになっても
きっと前を見て歩くDream Fighter」
Dream Fighter/Perfume