元売れない芸人の独り言

元売れない芸人がキン肉マンについて語っています。キン肉マンアニメ化祈願。

「東京ポッド許可局」論 前編

みなさんは、不思議に思ったことはないですか?


なんで、キングオブコントや、M-1について芸人は語らないのか?

と。

特に、mixiツイッターとかだと顕著に、大会が終わった直後は無口になったり

キングオブコメディ面白かった、おめでとう」

みたいな無難になることが多くないですか?
いつもは雄弁に例え、ツッコみ、毒づく人たちがなぜ…?
しかも、一番語りたいはずなのに…。

もちろん、飲み屋や電話やメールでは、どんな職業の人より芸人さんたちはそのことについて語ってますが、公には言いません。

…そこに来て、この本です。




Amazonの内容紹介】

リスナー登録者数14万人を誇る大人気ポッドキャスト放送が、待望の書籍化!
「東京ポッド許可局」とは、マキタスポーツプチ鹿島サンキュータツオ
3人の文系お笑い芸人が、好きなお菓子から世相まで
独自の視点で鋭く楽しく語り合うおしゃべりラジオ。
膨大な放送回の中から珠玉の10回分を収録。
「そういう世界もあったんだ」「そういう見方があるんだ」と貴方の
知的好奇心を刺激すること間違いなし!
録り下ろし「書籍版許可局」3回分が収録されたCDも封入!

●著者からのコメント

皆さんが思うより芸人はいろいろ我慢しています。
この本は語りたがる芸人が我慢せずにメディア、エンタメについて語った非常に珍しい本です。
是非読んでいただきたい。カユい所に手を届かせます。(マキタスポーツ

面白いものを見たら語りたい、いつのまにかしゃべってる。
「お笑いを考えることは悦びである」。そんな本です。(プチ鹿島

我々書き手の肩書きは芸人ですが、これはタレント本ではありません。
あなたの知的好奇心をくすぐる評論集です。
小林秀雄柄谷行人デリダソシュールをお好きな方にオススメします。(サンキュータツオ

すぐおいしい、すごくおいしい。3つのへりくつの塔が奏でる
大人気ポッドキャスト、「東京ポッド許可局」がついに書籍化しました。(みち)


マキタスポーツさん「芸人はいろいろ我慢しています」

…何を我慢しているのでしょうか?



…上記のような、キングオブコント、M−1についてや、芸人や笑いについて語ることです。
…いや、すいません、マキタさんが何を指しているかはわからないですし、偉そうなことは言えませんが。
まあ、少なくともこの辺については我慢しているでしょう。


では、なぜ我慢しているのでしょうか?
これも正解は遥かもっと深い所にあるかもしれませんが、私なりの考えを書きます。

1、イメージよりも上下関係の厳しい世界だから
→テレビでもたまに垣間見えることはありますが、見えないところではそれの十倍くらい、ビリっとした体育会系の世界です。ですので、先輩のネタに対して批評するというのは基本ご法度ですし、「つまらない」などととてもじゃないが言えません。ましてや審査員の紳助さんや松本師のジャッジに意見するなどいわんや…という世界なのです。…偉そうに言えないですし、そんなに知らないですが。

2、やりにくくなるから
→「ああ、あの人、ああいう計算してああいうボケをしてるんだ」と思われるよりも、「なんだあのバカ」って思われるくらいハードル低くしていたほうがやりやすい…という考えが多数だから。もちろんキャラによると思いますし、この本の著者のみなさんは、語ったところでやりにくくなるような次元でもないし、芸風でもないですが。

3、手品の種明かしをするようなものだから
→笑いの技法を多くの人に明かすというのは、自分や全体の首を絞めることになりかねない…という考えがあるから。

4、考えが間違ってたらマイナスだから
→笑いのプロが、笑いについて語り、もしそれが間違っていたら、ブランドイメージの損失につながるから。

5、「じゃあなんで自分は売れないんだ?」と言われるから
→こういう心無い言葉を、実際にこの本の著者のブログのコメント欄で見たことがあります。…確かに言い方はともかく、気持ちもわからないこともないです。M−1についての完璧な考察があるのなら、なぜそれを実戦で使い自分が優勝しないのかと。この疑問に関して、私なりに二つ答えを出すと、「そんな甘いもんじゃない」ということと、矛盾するようですが、「著者のコンビは、M−1とはまた違うリングで最強に近い存在である」ということが挙げられます。そして著者のみなさんも、当然この1〜5に関してはわかった上でされていて、特に5に関してはブログや番組内で何度か語られています。


…今までは、笑いについて語るのは、頂点に行った人だけの特権でした。
立川談志さん、ビートたけしさん、松本人志さん。

しかしこの本の著者のみなさんは、
いや、頂点に行ってなくても、語っていいんじゃないか?
という革命を起こしたのです。

ビートたけしさんが世の中をひっくり返し、
松本人志さんが「笑い」をひっくり返し、
キングコング西野さんが上の二人がおっしゃった「面白いと楽しいは違う。クラスの人気者は芸人にはなれない」という概念をひっくり返し、
東京ポッド許可局の著者の方々が「頂点に行かないと語ってはいけない」というのをひっくり返しました。

…西野さん以降は、私の説ですが…。でも、当たっていると思います。


本の内容ですが…

「すべらない話」論
→マキタ氏「ダウンタウンがお笑いの形を提示して以降、ルールが増えたんだ」等、人気番組『すべらない話』を分析されています。さらにとんねるずさんの「すべらない話」に対するアンサー(?)も紹介しています。

矢沢永吉ビートたけし長渕剛片岡鶴太郎」論
→これはマキタさんの独壇場という感じ。この方程式を説明されています。

ビートたけしベンチャー」論
→鹿島氏「ベンチャー企業の社長と同じように、たまたまそこが空き家だったから、そこが儲かりそうだったから芸人の世界に入ったわけで、最初から芸人にさえなればそれでいいや、という人たちとはぜんぜん違うんだね」と新説を立ち上げられています。いわば「ニッチを狙って、ビジョンを描いてから、それに合う行動を取っていった」という、経営の成功者達がよく言うことをたけしさんはしていたという話をされています。長渕にしろたけしさんにしろ、ファンの私としては反論もしたくなる部分がありますが…だからこそ「論」であり、まえがきで「屁理屈はスポーツだ」と予めおっしゃっています。

完璧過ぎる=おもしろい「ドラリオン」論
→シルク・ド・ソレイユから、ノアのプロレス論に。結構ディープというか、読者を特に選ぶ章かもしれません。…偉そうに言えませんが。

残りの
「真っ赤なスポーツカー」論
「排泄映画」論
「おすそわけガム」論
「手数」論
ピン芸人素数」論
「悪性エンターテインメント」論
は後編で!


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