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元売れない芸人の独り言

孤高のコーイチローという芸名で売れない芸人をやっていました。

『ノルウェイの森』村上春樹(講談社文庫)

2004年に読んだ『ノルウェイの森』について書きたいと思います。
まあ、格闘技やラーメンと違って、「文を書いて金をもらう」ということをする、ある種同じリングの大先輩、チャンピオンに、客目線で偉そうに言うのも違うんですが、これも「1Q84狂騒曲」…せっかくの出版界を盛り上げる祭りに乗っかってるとご理解ください。


あらゆる物事を深刻に考えすぎないようにすること、あらゆる物事と自分の間にしかるべき距離を置くこと。あたらしい僕の大学生活はこうしてはじまった。自殺した親友キズキ、その恋人の直子、同じ学部の緑。等身大の人物を登場させ、心の震えや感動、そして哀しみを淡々とせつないまでに描いた作品。

これは、読む時期によって、色々な感想を持つ小説だと思います。高校生が読んだら「大学に入ってこんな素敵で切ない恋愛してみたい」と思うかもしれないし、まさに主人公と同じ世代、大学生が読めば「あるある」なんて部分も多いかもしれないし、40代で読めば、当時を振り返る現在の主人公のごとく、ノスタルジックな気持ちになるかもしれません。
プラス、いかんせん1987年に発表されたものなので、タイムラグはあります。しかしさすがというか、あまりその時のことだけ書いているのではなく、普遍的なことが書かれているので、今読んでも共感できることは多いと思います。
私が読んだのは、社会人一年目の春。まさに就職活動中に、グラグラ悩む主人公のような自分から、図太い先輩の「永沢さん」的な感じに脱皮した私は、「こんなこともあったなー」くらいの気持ちで読んでいました。若いうちはとかく生きるとか死ぬとか、恋とかなんとか考えますが、そんなことより、なんも考えずに自分を育てて、なんも考えずにガールハントしたほうが、精神衛生上いい。作品中の永沢さんの生き方は、悩める10代に刺さるかもしれません。
と、前半部分は、いい感じの大学生活で楽しいのですが、中盤、ヒロインが病気になるところから重くなり、長くなります。正直、この辺はいらないんじゃないかと。小説のチャンピオンがいると判断し、天下の講談社さんの編集部がいると判断して本になったパートを、私がいらないと言えるのか。言えません。(どないやねん)みなさんが、各々で判断してください。私はこんなに長くはいらないんじゃないかなーと、思ったりします。
ただ、そんな中盤があっても、ラストはすばらしい! 完璧なるラストです。読み終わり、通勤電車内で思わず一人でスタンディングオベーションして、周りから白い目で見られました。それは嘘ですが、それくらいすばらしい。

あまり誰も言ってない気がしますが、セカチューはこの本のパクりです。ストーリー、キャラ、空気、プロット、酷似しています。似ていても、力量は比べれば一目瞭然。B'zとサーフィスみたいなものです。まあ、サーフィスはいい歌もありますけど…。

ということで、『ノルウェイの森』は、大学生のみなさんにはオススメです。恋愛とかを超越し始めている大人の方にはちょいヌルいかな…。それでもそれなりに楽しいと思います。


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