元売れない芸人の独り言

孤高のコーイチロー、波乗りコーイチロー、ヒキコモリオなどの芸名で売れない芸人をやっていました。

『しんぼる』狂騒曲 後編

2009年9月12日。「恋のから騒ぎ」に松本師出演。
「恋から」は言わずとしれた明石家さんま師匠の代表番組。

「今やってる番組を、一本に減らすとしたら何を残しますか?」

という質問に

「から騒ぎや」

と答えたほどの、さんまさんホーム中のホームの番組。

そこに松本師がゲストとして出演する…。
これがどういうことなのか。


キングVSキング。



神VS神。


天才VS怪獣。


バズーカVSマシンガン。


シュールの王者VSベタの王者。


オタクの王者VS人気者の王者。



帰宅部の王者VSサッカー部の王者。



イチローVS松坂。


中邑真輔VSアレクセイ・イグナショフ(!?)。



…相当乱暴に言いましたが…。



さらに例えるなら、
青木真也が、BJペンと戦いにUFCに殴りこむようなもの。

例えるなら、
範馬刃牙が、ボクシングルールで幕の内一歩と戦うようなもの。

例えるなら、
カルロス・ゴーンが、トヨタに出向社員として出向くようなもの。

例えるなら、
小学校のとき、女のコにはモテないが、自由帳でゲームを作ったり、ボソっと面白いことを言ったり、面白い設定を作ったり、マニアックな男の中ではトップクラスに面白かった私の小学校でいう「てっぺ」が、
サッカーをやっていて、クラスの人気者で、他クラスにも知られ、女のコにもモテる「宮部君」の家に一人で遊びに行くようなもの。

…いや、それ以上ですね。
例えようがない。

松本人志がから騒ぎにゲストとして行く」

というのが、一番の異種格闘技の例えです。

ただ、初カラミではなく、最近では『大日本人』のとき、「さんまのまんま」に出演し、一対一で話したことがありました。

そのときは、ライオン同士の甘噛み合い。
噛みつかないが、噛み付かせない。
すさまじく見ごたえがあるものでした。

前回の「まんま」と今回の違いは、
さんまさんの緊張が取れて、松本師をあくまでも

「後輩」
「ゲスト」

として扱っていました。
女が大量にいるからかもしれません。

そんな二人のやり取りを起こしつつ、感想を書いていきます。


さんまさん「今日のゲストは喜ぶでしょうねぇ。
私も久しぶりです。松本人志さんです」
女達「キャー!(大きな声援&驚き)」
松本師「(『しんぼる』のパジャマの格好で出てきて)
よろしくお願いします」
女達「キャー!(声援)」
松本師「(女達に)うるさい!」
さんまさん「オマエ、今日言うたよなぁ。『普通の格好で出ます』って」
松本師「はい」
さんまさん「完全に笑わす態勢やないか」
松本師「笑 イヤイヤイヤ、そんなことないですよ。
どうしても、映画の宣伝でどうしてもこういう格好をしないと許されないらしくて」
さんまさん「なんで許されへんねん。映画の宣伝は、許されるやないかい」
松本師「まあでも、そんなにウケるほどのカッコでもないですし」
さんま「いや、けっこう、どよめいたでオマエの衣装見て。
(楽屋の方へ歩き出し)俺も、着替えてくるわ」


!!!


確かに松本師は丸くなった。
しかし、それでも、松本師のボケに嫉妬し、張り合う芸人などいるだろうか。
タモリさんはダウンタウンさんを前にすると完全に受けに徹するし、
紳助さんでもツッコミにまわる。
これは日本で、さんま師匠だけの返しだろう。

松本師「いやいやいや、(着替えに行かなくて)いいですよ 笑
(さんまさんを引きとめる松本師)そんな対抗意識嫌でしょ」
さんま師匠「オマエ、今、始まる前に言うたやないか?」
松本師「何? 何? 何て?
笑わせてないですよ。この衣装では」
さんま師匠「普通の衣装や言うてたなぁ?」
松本師「でも、いわば普通の衣装ですから」
さんま師匠「なんでオマエ、ヅラ被るって言ってなかったよなぁ、今日」
松本師「ハハハハ」
さんま「腹立つねん、オマエ。
滅多にけえへんやろ、俺の番組なんてなあ」

「さんまのまんま」のことを引き合いに出し、
トーク的にも、ボケ的にも主導権を握ります。
この辺は「さんまのまんま」のときは無かったところかと。

松本師「いやいやいや、そんなことないですよ 笑」
さんまさん「前回は『さんまのまんま』やろ?」
松本師「そうです。『まんま』です」
さんまさん「で、今日は、コレやろ? なあ」
松本師「はい」
さんまさん「オマエ、何を狙い撃ちして来てんねん」
松本師「あっはっは」

「狙ってゲストに来ている」
という意味にも取れるし、
「司会の座を狙っている」
とも取れる。
この辺までさんまさんの高速左ジャブが続くが、
ここで松本師ワールドが展開。
普通の芸人なら
「いや、そんなことないですよー」
みたいに言うところを、

松本師「あっはっは」

と、流す。
これは松本師ならではと言える。

さんま師匠「で、オマエ、祝い欲しかっただけやろ?来たのは?」

ここで、話を松本師の結婚の話題に。

松本師「いや、祝い、ホントにありがとうございます」
女達「(拍手)」
松本師「(拍手に対して)あぁ、すいません」
(笑いながら)この人、ひどい人でねぇ!
僕、一応結婚を報告しに行ったんですよ。
そしたら何て言うたか知ってます!?
『あの、僕、結婚させていたたくことになりました』って言ったら
『オマエ、頭、おかしなったんか?』って。そんなこと言います!?」
さんま師匠「いや、松本はな、一生独身やって勝手に決めつけてたんよ」
松本師「ええ!?」
さんまさん「で、『子供ができた』って、今度、何月に生まれるのか知らんけど」
松本師「実は、10月なんですけど」
女達「(拍手)」
さんまさん「オマエねぇ、自分の己を考えろよ」
松本師「自分の己??? 笑」

さんまさんの言い間違いを正せるのは、
たけしさん、タモリさん、紳助さん、松本師と
浜田さんくらいだろう。

さんまさん「オマエ、あやせないやろ!?
うわぁ〜松本がなぁ、まさか結婚してパパになるなんてなぁ」
松本師「はい」

独身のしんぼる・松本師と、
若乃花もリスペクトするバツイチの象徴・さんまさんとの結婚トーク。
ゾクゾクする。

さんまさん「ショックやわー」
松本師「なんでですか?」
さんまさん「俺とお前はアパートで変死してるのを発見されると思ってたんや」

「異種であり、ライバルであるが、
笑いに固執するあまり独身で死んでいく同族である」と
認めていたという発言。歴史的一歩だ。

ここから普段の、トークテーマで女が喋るという流れになる。
そこからはさんまさんは、いつも通り、
「ゲストに振る」
というスタンスで松本師とカラんでいくが、
さすが松本師だけあり、ただのコメントにはならない。

(コンパの話から)
さんまさん「(松本は)どうやって口説いてるの?」
松本師「どうやってというと…?」
さんまさん「俺みたいにロマンチックにやなー…」
松本師「『ロマンチックにやなー』って
言ってる時点でロマンチックじゃないでしょ」

Hey!Hey!Hey!に来たアイドルを斬る勢いで、さんまさんを斬っている。
むしろ、最近Hey!Hey!Hey!等は自主規制で、ガチで殴れない分、ガードもできるし、殴れば殴り返してくる好敵手に、全開でパンチを打っているようにも見える。

そして、女が合コンでの
「くっついたらはなれない」
という男を落とすテクニックを話す。
ところがその途中で松本師が笑い出す。

松本師「いや、ごめん。
半分以上何言ってるかわからないんやけど」
女達「笑」

普通だったらこれで終わりである。
王である松本師が「何言ってるかわからない」と
言ったら、そこでアウト。
山崎さんだったら
「わかるでしょー!」
と叫んで、それを浜田さんが流して終わりだ。
しかし…

さんまさん「いや、わかるやろ。
小指と小指をくっつくようにするんやないかい」

それを否定するさんまさん。
さらに…

松本師「男性と?」
さんまさん「知らんがな」
松本師「えー!」

例え相手が笑いの天才でも、
自分のトークのペースは乱させない。
さんまさんもまた王であるというのが垣間見えた一間だった。
そして締め。

さんまさん「その松本が、お話があると」
松本師「ありがとうございます。映画『しんぼる』9月12日…本日ですね。公開しておりますので、もしよかったら見てください」
さんまさん「出来はどうなの? ほいで」
松本師「僕は非常にいい出来だと思ってるんですけど」
さんまさん「ふんふん」
松本師「内容はまた聞かれると、なんて説明していいかわかんないんで」
さんまさん「内容簡単に教えたれよ、お前」
松本師「いやちょっとどう説明していいのかよくわからないんで」
さんまさん「台本あるからあらすじだけでも説明できるやろ」

内容を話せないのは、松本さんの映画に対する哲学だが、
やはり自分のペースを乱されるので、イラっとした感じになるさんまさん。

そこに

松本師「だからもう…『おくりびと』とほとんど同じです」
さんまさん「笑」

最後にキッチリ落とすのであれば、
ライバルでも異種でもなんでも笑って認める。
芸人ってすばらしいですね。

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