元売れない芸人の独り言

孤高のコーイチロー、波乗りコーイチロー、ヒキコモリオなどの芸名で売れない芸人をやっていました。

『しんぼる』狂騒曲 前編

2007年6月1日、『大日本人』観覧。
面白かったものの、『ごっつ』や『ガキ』や『VISUALBUM』と比べると、若干笑いが軽い感じもした。
もちろんそれも計算で、「誰をターゲットにするか」という話だと思うんですが、私に思いっきり刺さる感じではなかった。
いや、それでも警備員のインタビューとか、面白いところもありましたし、
その辺の映画より全然面白いんですけどね。
『ごっつ』や『ガキ』や『VISUALBUM』が偉大すぎるという意味で、ちょっとだけ物足りなかった。

2009年3月19日、『しんぼる』制作記者発表。

「手ごたえを感じています。どの星にだしても恥ずかしくない作品」
松本人志さん

2009年8月、『Cut』松本人志さん表紙の9月号発売。

「テレビの時代は終わった、
『しんぼる』で松本人志
映画を変える。」
Cut表紙コピー

即買ったが、ネタバレしそうな感じなので、読むのを控えておくことに。

2009年9月、『日経エンタテイメント松本人志さん表紙の号買う。
ネタバレしそうな感じなので、読むのを控えておくことに。

2009年9月、『週刊プレイボーイ松本人志さん表紙の号買う。
ネタバレしそうだったが、「怒り」の流れだったので、読む。
面白い。しかもついでに次のページのナインティナインさんのインタビューも面白かった。
捨てられない雑誌になった。

2009年9月11日、「A-stugio」に松本人志さん出演。
鶴瓶さんの松本さんリスペクトが感じられて面白かった。
松本人志さんの中学校時代の相方、伊東さんも面白かった。

鶴瓶さん「鶴瓶さん、松本に『俺はもう塩おにぎりだ』って伝えてください、って言われたけど、それなんやねん」
松本人志さん「意味はないんですよ。今その言葉が気にいってるんじゃないですか?」

2009年9月12日、「情報7Daysニュースキャスター」に松本人志さん出演(9月5日に前編があった)。
『コマネチ!』での対談や、東スポ映画大賞での2ショットはあったものの、テレビでの共演はおそらく初…
2ショットは、確実に始めて。
流派の違う団体のトップ同士の会話。
これが格闘家同士だったら、ほどよい緊張感というだけだろうし、
スポーツ選手同士だったら、もしかしたら仲良くなるのかもしれないが、
お笑いなので、様子を伺うようなしゃべりになる。
なぜなら、しゃべることが仕事なので。
ヒクソンと猪木が対談じゃなく、リングに立っちゃっているようなもの。
そうなると、国のトップ同士の「首脳会談」のような、言葉を選ぶ場所になる。
普段のテレビではなかなか見れない緊張感が、観ていて楽しい。
お互い様子を見ながらも、たけしさんが司会ということで、リードしていく。

たけしさん「ちょっとお笑いに関してはどうなの、今?」
松本人志さん「ハハハ。たけしさんにそう言われると、僕も困るんですけど。どうなんでしょうか?」
たけしさん「俺はもう要するに、きよしさんとシャレでも漫才できなくなっちゃってるし」
松本人志さん「ああ、そうですか」
たけしさん「うん。俺ねえ、今(松本さんが)40いくつでしょ?」
松本人志さん「はい」
たけしさん「そのころねえ、完全に頭ダメになっちゃったことがあったんだよ」
松本人志さん「ニャハハ」
たけしさん「アドリブがまるで効かないの」
松本人志さん「どう…そうですか…うーん」
たけしさん「お笑いってさ、その瞬間に一番適切な言葉があるじゃん」
松本人志さん「はい。バッと出てきた中で。はい」
たけしさん「それで一番面白いことを言う奴の勝ちじゃない」
松本人志さん「はい」
たけしさん「ところがねえ、えーと、ってなっちゃったの。
イメージはあるのに、えーと、って。
ほいで、これはアドリブできなくなってるっていうか…すごいショックだった」
松本人志さん「それを、ズバっと言うところが、素晴らしいことだなと思うんですけどね」

後輩でありライバルである松本さんに曝け出すたけしさんの器のでかさもすごいし、
それに対する「それを、ズバっと言うところが、素晴らしい」という切り返しが松本さんならではだ。
一体たけしさんを前に、何人がこんな俯瞰で状況を見れて、瞬時に切り返せるのだろうか。
その切り返しでたけしさんも笑っていた。

松本人志さん「(これからのテレビ界で)どう戦っていこうかっていうのは正直ありますねえ。
で、昔より面白くなくなったみたいなこと言われることもありますからね。
でも、それは(厳しくなる自主規制のせいで)昔OKやったところをカットされてんねんやっていうのを
わかってもらえないつらさもありますし」
たけしさん「いや俺なんかはもう、昔の話ばっかりされるもん。
たけしは昔おかしかったとかさ」

確かに「昔は面白かった」と言われるトップ2だろう。
それだけ絶好調のときが凄まじかったという裏返しだと思うが、
私は、たけしさんは今のたけしさんの面白さがあるし、
松本人志さんは、今の松本人志さんの面白さがあると思う。
オールナイトニッポンと比べたり、ガキのトークを毎週やってたときに引きずられ、
今の二人を素直に楽しめないのは損してるんじゃないかと。

たけしさん「『たけし、昔に戻れ』って、誰がそんなこと言ったんだって聞いたら相棒(きよしさん)だったという」
松本人志さん「(笑)」
たけしさん「お前に言われたくねーコノヤローって」

典型的な「たけし流」の笑わし方で、松本さんが笑うという、異種格闘技の妙がここに極まった。
松本さんでも、板尾さんでも今田さんでも、ジュニアさんでも…こういう落とし方はあまりしない。
たけしさんの右ストレートが、松本さんを捉えた貴重な瞬間だ。

ただ、異種格闘技といえど、言わば二人とも

「繊細な天才」

という、同じところに棲んでいる、いわば「同種」ではある。

この後、松本さんと流派も違うし、出所も違う

「図太い怪獣」

という、全く異次元の戦いが見れることになる。

2009年9月13日。『しんぼる』観賞。
私の心に思い切り刺さった。こういう松本さん作品が観たかった。
VISUALBUM』の中にあったとしても、「システムキッチン」や「古賀」に見劣りしないだろうという傑作。


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