元売れない芸人の独り言

孤高のコーイチロー、波乗りコーイチロー、ヒキコモリオなどの芸名で売れない芸人をやっていました。

M-1GP2008優勝者NON STYLEのネタ分析

二人「どうもノンスタイルです、よろしくお願いします」
ツ「俺ちょっと最近さ、ホラーがめっちゃ好きやねん」
ボ「俺もめっちゃ好き。白い服着てんだからカレーうどんなんて食ったらあかん。
もうやめときて。やめとき言うて…ほらー」
ツ「そのホラーじゃないわ」
ボ「ほらー(面白い顔)」
ツ「そのホラーじゃない。俺が思ってんのとだいぶ違う」
ボ「違うの?」
ツ「俺が言うてんのは、ホラー映画」
ボ「ああ、はいはい」
ツ「主人公たちはさ、冗談半分で山奥にある病院の廃虚とかに行ってまうねん」
二人「(廃虚を歩いている動き)」
ツ「おい、石田、廃虚来たはいいけど…」
ボ「(竹馬に乗って歩いている動き)」
ツ「なんで竹馬乗ってんねん!」
ボ「ワンパクやからっ」

ツ「すっと歩けや。来たはいいけど、ここめっちゃ怖いな」
ボ「この建物昔、泌尿器科やってんやろ」
ツ「雰囲気出えへんやろ」
ボ「あかんゾクゾクする…尿道が」
ツ「どこゾクゾクさしてんねん!」
ボ「ハルンケア忘れた(自分の尻を叩く)」
ツ「尿漏れ気にすんな!」

ツ「にしてもここ真っ暗やぞ」
ボ「(懐中電灯を渡すような仕草)」
ツ「おー、サンキュー」
ボ「それチクワやぞ」
ツ「何渡してくれてんねん、お前!」
ボ「小腹がすいててん(自分の尻を叩く)」
ツ「どうでもええわ、そんなこと」

ツ「そこは懐中電灯や。そんで懐中電灯パチってつけるやろ。
するとナースステーションには無数のカルテが散らばってんねん」
ボ「うさぎさん、お耳が長いよ…(何かを読む動き)」
ツ「はい! ってそれカルタやわ。俺が言うてんのはカルテ!」
ボ「ひ〜、ノリツッコミ!」
ツ「どこに怯えてんねん!」
ボ「すべらしてしまった!(自分の尻を叩く)」
ツ「じゃあやるな、お前」

ツ「そいでそのカルテを一枚取って見てみたらや。名前のとこに石田明
お前の名前が書いてあんねん」
ボ「同姓同名や」
ツ「そういうこと違うわ」
ボ「親近感」
ツ「見るとこちゃうねん」
ボ「ありふれた名前!(自分の尻を叩く)」
ツ「我慢せえ、そこは」

ツ「そこはお前が霊のターゲットになってんねん。
怖くなって逃げ出してたら」
二人「(逃げ出す動き)」
ツ「どっからともなく、クスクス、クスクスっていう笑い声が聞こえてくんねん」
ボ「チャック開いてた!」
ツ「そういうことちゃうねん!」
ボ「笑うな(笑いながら殴る仕草)」
ツ「しゃべるな、霊と」
ボ「ひょうきんもの!(自分の尻を叩く)」
ツ「どっか行け腹立つな」

ツ「そこでどっかの部屋に逃げ込もうと思うけど、鍵がかかってて入られへんねん」
ボ「よ! ナイス戸締り!」
ツ「余計なこと言わんでええねん」
ボ「この盛り上げ上手!(自分の尻を叩く)」
ツ「黙っとけお前は」
ボ「よ! ナイスツッコミ!」
ツ「(笑顔)」
ボ「前言撤回(自分の尻を叩く)」
ツ「しばいたろか! どういう意味や!」

ツ「そんで唯一開いてる部屋にバーンて入るやろ。
ほんだらなんとそこは、手術室」
ボ「ひゃー! おまえしゅちゅちゅしちゅってよく言えるな」
ツ「雰囲気台無しやわ!」
ボ「俺全然言えへん、ちゅちゅちゅしちゅって…」
ツ「いらんねん、そんなん」
ボ「劣等感!(自分の尻を叩く)」
ツ「がんばれ、お前」

ツ「手術室に入るやろ。そうしたら後ろのトビラがバターンって閉まって、
今まで聞こえていた笑い声が、ぴたって止まんねん」
ボ「スベった(自分の尻を叩く)」
ツ「そういうこと違うわ」

ツ「静まり返ってんねん。したらどっからともなく大きなうめき声。
ぬわー!」
ボ「あ、室伏」
ツ「違うわー!」
ボ「ユカのほうや!(自分の尻を叩く)」
ツ「妹もおらへんねん」

ツ「この声はどっから聞こえてんねん! って俺らがパニックになったら、
お前の携帯のメールの受信音が鳴り響く」
ボ「バイブにしてるわ」
ツ「鳴ったでええやん!」
ボ「生真面目!(自分の尻を叩く)」
ツ「出すなそんな部分」

ツ「で、そのメールを見てみたら…」
ボ「おい、嘘やろ、なんやねん、急に別れようって」
ツ「彼女からちゃうねん」
ボ「やんやー(電話する動きで甘えた声)」
ツ「気持ち悪いわ」
ボ「おっしゃるとおり(自分の尻を叩く)」
ツ「じゃあするな」

ツ「そこは今行ってる病院からメールが送られてきてて…
『今からあなたを診察します』」
ボ「保険証持ってきてないって!」
ツ「そんなことちゃうねん!」
ボ「めっちゃ金取られる! 今月ピンチ!(自分の尻を叩く)」
ツ「何を言うてんねん、お前」

ツ「そいでそのメールには写真も貼り付けてあって、
血まみれのお前が手術台に横たわってる写真や」
ボ「嘘やろ。俺こんなに頬骨出てる」
ツ「どこ気にしてんねん、お前!」
ボ「お母さんからの遺伝(自分の尻を叩く)」
ツ「どうでもええねん、そんなこと」
ボ「くそ! こんな携帯! ビヨンビヨン、バネ付きのストラップ」
ツ「つけんなだから! あのストラップいらんねん!」

ツ「そこはお前、霊の好きにさせてたまるかって探し出そうとせえや」
ボ「好きにさせてたまるか!」
ツ「石田」
ボ「なんやねん」
ツ「どこ行くんや」
ボ「医者の霊探しに行くんや」
ツ「探し出してどうすんねん」
ボ「わからんけど、みすみすやられてたまるか!」
ツ「落ち着けや! 俺も一緒に行く」
ボ「井上」
ツ「お前に何があっても、俺が助けてみせる」
ボ「生贄」
ツ「井上や!」

ツ「お前土壇場で俺のこと差し出すつもりやな」
ボ「(面白い顔でうなずく)」
ツ「その顔なんやねん」
ボ「ついつい本音が(自分の尻を叩く)」
ツ「言うなそんなこと」

ツ「そいで俺が怖くなって窓から逃げ出す!」
二人「(窓から逃げ出す動き)パリーン」
ボ「ムニュ…網戸…」
ツ「無いとこ選べや!」
ボ「ハエの気持ち(自分の尻を叩く)」
ツ「わからんでええねや、そんなこと」

ツ「そいで外に出た。外に止めてあるバイクにまたがって逃げんねん」
ボ「(右腕を上げて手首を曲げて立つ。それを繰り返す)」
ツ「ブーン(バイクに乗ってる動き)」
ボ「(繰り返してる)」
ツ「ブーン(バイクに乗ってる動きしながら、ボケを気にする)
街灯とかいらーん!」
ボ「(大仏の動き)」
ツ「大仏もないねん!」
ボ「このハッピー野郎(自分の尻を叩く)」
ツ「家帰れ! 腹立つな」

ツ「これで一安心やと思ってバイクのミラー見てみたら、
お前の後ろには髪の毛の長い女性の姿が映ってんねん」
ボ「ギャー! とか言いながらむっちゃタイプ(自分の尻を叩く)」
ツ「怖がれや! もうええわ」
二人「ありがとうございました」

ネタ時間:3分47秒
そのうちに放ったボケの数:43個
43個のボケの内訳:

ダジャレ→1
ダジャレ+顔芸→1
顔芸→1
動き+シンプルなボケ→1
シンプルなボケ→12
ちょっとひねったボケ→4
メタコントボケ→1
すかしボケ→1
ブリッジボケ→14
相方いじり→1
かぶせ→2
たたみかけ→3
一本目のネタからの超時空かぶせ→1


「シンプルなボケ」を「手数」打つ。
これがM-1の戦い方というのがハッキリとしました。
(2007年のサンドウィッチマンを評して、
サンキュータツオさんがすでに分析されていましたが)
そして、2009年にもこの流れは継承されました。

これがM-1にとって、お笑い界にとっていいのか悪いのか…。
どう思いますか?

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