二人「どうもノンスタイルです、よろしくお願いします」
ツ「俺ちょっと最近さ、ホラーがめっちゃ好きやねん」
ボ「俺もめっちゃ好き。白い服着てんだからカレーうどんなんて食ったらあかん。
もうやめときて。やめとき言うて…ほらー」
ツ「そのホラーじゃないわ」
ボ「ほらー(面白い顔)」
ツ「そのホラーじゃない。俺が思ってんのとだいぶ違う」
ボ「違うの?」
ツ「俺が言うてんのは、ホラー映画」
ボ「ああ、はいはい」
ツ「主人公たちはさ、冗談半分で山奥にある病院の廃虚とかに行ってまうねん」
二人「(廃虚を歩いている動き)」
ツ「おい、石田、廃虚来たはいいけど…」
ボ「(竹馬に乗って歩いている動き)」
ツ「なんで竹馬乗ってんねん!」
ボ「ワンパクやからっ」
ツ「すっと歩けや。来たはいいけど、ここめっちゃ怖いな」
ボ「この建物昔、泌尿器科やってんやろ」
ツ「雰囲気出えへんやろ」
ボ「あかんゾクゾクする…尿道が」
ツ「どこゾクゾクさしてんねん!」
ボ「ハルンケア忘れた(自分の尻を叩く)」
ツ「尿漏れ気にすんな!」
ツ「にしてもここ真っ暗やぞ」
ボ「(懐中電灯を渡すような仕草)」
ツ「おー、サンキュー」
ボ「それチクワやぞ」
ツ「何渡してくれてんねん、お前!」
ボ「小腹がすいててん(自分の尻を叩く)」
ツ「どうでもええわ、そんなこと」
ツ「そこは懐中電灯や。そんで懐中電灯パチってつけるやろ。
するとナースステーションには無数のカルテが散らばってんねん」
ボ「うさぎさん、お耳が長いよ…(何かを読む動き)」
ツ「はい! ってそれカルタやわ。俺が言うてんのはカルテ!」
ボ「ひ〜、ノリツッコミ!」
ツ「どこに怯えてんねん!」
ボ「すべらしてしまった!(自分の尻を叩く)」
ツ「じゃあやるな、お前」
ツ「そいでそのカルテを一枚取って見てみたらや。名前のとこに石田明、
お前の名前が書いてあんねん」
ボ「同姓同名や」
ツ「そういうこと違うわ」
ボ「親近感」
ツ「見るとこちゃうねん」
ボ「ありふれた名前!(自分の尻を叩く)」
ツ「我慢せえ、そこは」
ツ「そこはお前が霊のターゲットになってんねん。
怖くなって逃げ出してたら」
二人「(逃げ出す動き)」
ツ「どっからともなく、クスクス、クスクスっていう笑い声が聞こえてくんねん」
ボ「チャック開いてた!」
ツ「そういうことちゃうねん!」
ボ「笑うな(笑いながら殴る仕草)」
ツ「しゃべるな、霊と」
ボ「ひょうきんもの!(自分の尻を叩く)」
ツ「どっか行け腹立つな」
ツ「そこでどっかの部屋に逃げ込もうと思うけど、鍵がかかってて入られへんねん」
ボ「よ! ナイス戸締り!」
ツ「余計なこと言わんでええねん」
ボ「この盛り上げ上手!(自分の尻を叩く)」
ツ「黙っとけお前は」
ボ「よ! ナイスツッコミ!」
ツ「(笑顔)」
ボ「前言撤回(自分の尻を叩く)」
ツ「しばいたろか! どういう意味や!」
ツ「そんで唯一開いてる部屋にバーンて入るやろ。
ほんだらなんとそこは、手術室」
ボ「ひゃー! おまえしゅちゅちゅしちゅってよく言えるな」
ツ「雰囲気台無しやわ!」
ボ「俺全然言えへん、ちゅちゅちゅしちゅって…」
ツ「いらんねん、そんなん」
ボ「劣等感!(自分の尻を叩く)」
ツ「がんばれ、お前」
ツ「手術室に入るやろ。そうしたら後ろのトビラがバターンって閉まって、
今まで聞こえていた笑い声が、ぴたって止まんねん」
ボ「スベった(自分の尻を叩く)」
ツ「そういうこと違うわ」
ツ「静まり返ってんねん。したらどっからともなく大きなうめき声。
ぬわー!」
ボ「あ、室伏」
ツ「違うわー!」
ボ「ユカのほうや!(自分の尻を叩く)」
ツ「妹もおらへんねん」
ツ「この声はどっから聞こえてんねん! って俺らがパニックになったら、
お前の携帯のメールの受信音が鳴り響く」
ボ「バイブにしてるわ」
ツ「鳴ったでええやん!」
ボ「生真面目!(自分の尻を叩く)」
ツ「出すなそんな部分」
ツ「で、そのメールを見てみたら…」
ボ「おい、嘘やろ、なんやねん、急に別れようって」
ツ「彼女からちゃうねん」
ボ「やんやー(電話する動きで甘えた声)」
ツ「気持ち悪いわ」
ボ「おっしゃるとおり(自分の尻を叩く)」
ツ「じゃあするな」
ツ「そこは今行ってる病院からメールが送られてきてて…
『今からあなたを診察します』」
ボ「保険証持ってきてないって!」
ツ「そんなことちゃうねん!」
ボ「めっちゃ金取られる! 今月ピンチ!(自分の尻を叩く)」
ツ「何を言うてんねん、お前」
ツ「そいでそのメールには写真も貼り付けてあって、
血まみれのお前が手術台に横たわってる写真や」
ボ「嘘やろ。俺こんなに頬骨出てる」
ツ「どこ気にしてんねん、お前!」
ボ「お母さんからの遺伝(自分の尻を叩く)」
ツ「どうでもええねん、そんなこと」
ボ「くそ! こんな携帯! ビヨンビヨン、バネ付きのストラップ」
ツ「つけんなだから! あのストラップいらんねん!」
ツ「そこはお前、霊の好きにさせてたまるかって探し出そうとせえや」
ボ「好きにさせてたまるか!」
ツ「石田」
ボ「なんやねん」
ツ「どこ行くんや」
ボ「医者の霊探しに行くんや」
ツ「探し出してどうすんねん」
ボ「わからんけど、みすみすやられてたまるか!」
ツ「落ち着けや! 俺も一緒に行く」
ボ「井上」
ツ「お前に何があっても、俺が助けてみせる」
ボ「生贄」
ツ「井上や!」
ツ「お前土壇場で俺のこと差し出すつもりやな」
ボ「(面白い顔でうなずく)」
ツ「その顔なんやねん」
ボ「ついつい本音が(自分の尻を叩く)」
ツ「言うなそんなこと」
ツ「そいで俺が怖くなって窓から逃げ出す!」
二人「(窓から逃げ出す動き)パリーン」
ボ「ムニュ…網戸…」
ツ「無いとこ選べや!」
ボ「ハエの気持ち(自分の尻を叩く)」
ツ「わからんでええねや、そんなこと」
ツ「そいで外に出た。外に止めてあるバイクにまたがって逃げんねん」
ボ「(右腕を上げて手首を曲げて立つ。それを繰り返す)」
ツ「ブーン(バイクに乗ってる動き)」
ボ「(繰り返してる)」
ツ「ブーン(バイクに乗ってる動きしながら、ボケを気にする)
街灯とかいらーん!」
ボ「(大仏の動き)」
ツ「大仏もないねん!」
ボ「このハッピー野郎(自分の尻を叩く)」
ツ「家帰れ! 腹立つな」
ツ「これで一安心やと思ってバイクのミラー見てみたら、
お前の後ろには髪の毛の長い女性の姿が映ってんねん」
ボ「ギャー! とか言いながらむっちゃタイプ(自分の尻を叩く)」
ツ「怖がれや! もうええわ」
二人「ありがとうございました」
ネタ時間:3分47秒
そのうちに放ったボケの数:43個
43個のボケの内訳:
ダジャレ→1
ダジャレ+顔芸→1
顔芸→1
動き+シンプルなボケ→1
シンプルなボケ→12
ちょっとひねったボケ→4
メタコントボケ→1
すかしボケ→1
ブリッジボケ→14
相方いじり→1
かぶせ→2
たたみかけ→3
一本目のネタからの超時空かぶせ→1
「シンプルなボケ」を「手数」打つ。
これがM-1の戦い方というのがハッキリとしました。
(2007年のサンドウィッチマンを評して、
サンキュータツオさんがすでに分析されていましたが)
そして、2009年にもこの流れは継承されました。
これがM-1にとって、お笑い界にとっていいのか悪いのか…。
どう思いますか?
ツイッターアカウントは@kokono516