むかしむかし。
いんたあねっとなどというものがないころの話じゃ。
テレビで一番になることが異論もなく「天下を取る」と言われていた時代。
国民の四分の一がテレビを観ていた時代。
テレビを疑うことがなかった時代。
マスゴミという言葉もなかった頃じゃの。
『東京ラブストーリー』が放送される月曜日21時はOLさんが街から消えた時代じゃ。
と
というのがおったんじゃ。
芸能界にじゃなく、一般人側に。
あと、ウッチャンナンチャン派もいたけど、わしの周りには、そんなに強く「ウッチャンナンチャン派」を打ち出す人はいなかったんじゃ。
最初は、とんねるず派が強かったんじゃ。とんねるず派には、サッカーやってる人とかクラスの人気者が多いからの。
が、だんだんとダウンタウン派が強くなる。
如実に結果が出たのが東京NSCに入ったときじゃった。
なんと、同期の同じクラスのほとんどがダウンタウン派で、とんねるず派は二人だけじゃった。
さらに、ただでさえ少ないのに、それに加えてとんねるず派は迫害され、発言力を完全に失ったんじゃ。
なんでかというと、数の力もあるが、
ダウンタウン派にグイグイいくヤンキーが二人いた
からなんじゃ。
見た目がヤンキーなだけなら、特に戦況に影響は及ぼさんが、
グイグイいくヤンキーは強い
からのう。
マクロ的に考えると、マニアックな笑いをやりつつも、ヤンキーとかの心もきっちり掴んでたダウンタウンはやっぱりすごいというところかの。
とんねるずのほうがなんとなくヤンキー受けよさそうなのにの。
時は流れ、そんな争いはなくなった。
いまや、『みなさんのおかげでした』と『めちゃイケ』が終わるといっても、そこまでの話題にもならんくらいの世の中。AbemaTVの元SMAP特番のほうが注目されてるくらいじゃの。
これからはどうなるんじゃろうか。
「坂上忍と有吉のどっちが面白いんだ」
みたいなことで、夜を徹して議論するようなことはないじゃろうな。
「テレビ派VSAbemaTV派」「Amazonプライム派VSネットフリックス派」とかに分かれるんかの。
いや、もうそんな二大派閥、二大政党制みたいなことにはならんじゃろう。
みんなが一国一城の主、みんなが誰かのダウンタウン・とんねるずみたいな時代じゃからのう。
え?わしは何派かって?
わしは、ジョビジョバ派じゃよ。
完